風の気のままに記

  2005. 8. 31. Wed
      キング・カズ
  
 最近、富士フィルムのテレビコマーシャルが気になる。そう、サッカーの三浦和良選手が出演しているCM。 
 彼が15歳にして単身ブラジルに渡りプロサッカー選手を目指した頃を回想して作られたCMだ。 
 15歳のカズは初々しく可愛いサッカー少年。そして今のカズは年をとったとは言え、相変わらず清々しい男だ。正しく写真のコマーシャルにふさわしい出来栄え。 
 もう直シニアサッカーリーグの黄色いパンツに手の届こうと言う男が現役に拘り続け、ワールドカップ出場に生涯をかけている様は、見果てぬ夢を追うドンキホーテではなく、決して諦めない真の男を感じる。 
 中年のカズが語る。15歳のカズが単身ブラジル渡ったときの心境を。 
 「不安より希望の方がはるかに大きかった」と。 
 彼は時々はっとするような言葉を発する。この言葉にも感動を覚えるが、ワールドカップフランス大会の折、登録メンバーから外され、開幕直前に理不尽な帰国命令を言い渡され傷心の帰国を果たした際も、普通の人間ならふて腐りたくもなるところ、微塵もそんなそぶりは見せず、むしろ前向きに「魂は向こうにおいて来たんで・・・」と言う言葉で、自分はフランスに残ったチームメートとまだ一緒に戦っているんだと、エールを送ったシーンは今でも瞼に焼き付いている。 
 彼は常々サッカー文化を日本に根付かせたいと言い続けている。 
 そのカズの夢はワールドカップ。今もその気持ちは少しも変わることなく、現役に拘り、J2で活躍し、J2の観客動員記録を塗り替え続けている。輝かしい実績を持った男。なにもJ2にまで落ちなくても・・・引き際も大事じゃないか、と引退を考える人もいるかもしれない。 
 しかし彼は言う「ワールドカップ出場の可能性はピッチから離れればゼロだが、ピッチに立ってさえいればゼロではない。」と。実際には年齢的なこともあり限りなくゼロに近いのだが、彼の顔からは100%の自信が窺える。本当にサッカーを愛しているんだなと感じることができる。いくつになっても魅力的な男だ。 
 こうと決めたら決して諦めない男。 
 将にキングの称号にふさわしい男だ。